○美浦村議会基本条例
平成27年6月19日
条例第28号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会・議員の活動原則(第2条・第3条)
第3章 村民と議会との関係(第4条・第5条)
第4章 議会と村長等との関係(第6条―第9条)
第5章 議会機能の充実・強化(第10条―第14条)
第6章 議員の身分・待遇(第15条―第17条)
第7章 最高規範性及び見直し手続き(第18条―第20条)
附則
日本国憲法に基づく地方自治制度の二元代表制の下、美浦村議会(以下「議会」という。)は、合議制の議事機関として、村長は執行機関として、それぞれが異なる権限を行使して、住民の意思を村政に反映させるという役割及び責任を担っている。
そのため議会は、公平性と透明性の確保、積極的な情報の公開、政策活動等への多様な住民参加の推進、議員間の自由討議の展開、村長等執行機関との緊張感の保持、議員の資質の向上、議員活動を支える体制の整備等について定めることにより、住民に開かれた議会、住民参加を推進する議会、住民に身近な信頼される議会を目指して行かなければならない。
よって議会は、議会及び議員の責務と議会運営の基本的事項を明らかにし、住民福祉の向上のために全力を挙げて住民の負託に応えることを誓い、ここに議会基本条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、美浦村の持続的で豊かな発展の実現を目指すという議会の責務に立ち、住民自治を基本に、議会の活性化と機能強化を図るための議会運営の基本事項を定めることを目的とするものである。
第2章 議会・議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、村民主権を基礎とする村民の代表機関としての自覚を持って議会活動に専念するものとする。
2 議会は、常に公平性・透明性・信頼性を確保し、村民に開かれた議会を目指すこと。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、議会が言論の府あること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を尊重するものとする。
2 議員は、議会の構成員として、一部団体や地域の代表にとどまらず、村民全体の福祉の向上及び村政の発展を目指して活動しなければならない。
3 議員は、村政全般について、課題及び村民の意見を的確に把握するとともに、自らの資質向上を図るために、不断の研さんに努める。
第3章 村民と議会との関係
(村民参加と村民との連携)
第4条 議会は、議会活動に関する情報公開を徹底するとともに、村民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議の他、常任委員会、特別委員会を原則公開とする。
3 議会は、常任委員会、特別委員会の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用し、村民の専門的又は政策的知見等を議会の討議に反映させることができる。
4 議会は、請願及び陳情の審議においては、必要に応じて提案者の意見聴取を行う機会を設けることができる。
5 議会は、重要な議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等、議員の活動に対して村民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。
(議会報告会)
第5条 議会は、全議員出席のもとに、村民に対する議会報告会を少なくとも年1回以上開催して、議会の説明責任を果たすとともに、村民の意見を聴取して議会運営の改善を図るものとする。
2 議会は、村政全般にわたって議員及び村民が自由に情報及び意見を交換する一般会議を設置するものとする。
第4章 議会と村長等との関係
(村長等との関係)
第6条 議会の本会議における議員と村長及び執行機関の職員(以下「村長等」という。)の一般質問は、広く村政上の論点、争点を明確にするため、一問一答方式で行うことができる。
2 議会の本会議において村長等は、議員の質問に対して議長の許可を得て質問の趣旨を問うことができる。
(村長による政策等の形成過程の説明)
第7条 村長は、議会に計画、政策、施策及び事業等(以下「政策等」という。)を提案するときは、より一層、深まりのある議論ができるように、次に掲げる政策等の決定過程を説明するよう努める。
(1) 政策等の発生源
(2) 検討した他の政策案等の内容
(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討
(4) 総合計画における根拠又は位置づけ
(5) 関係ある法令等
(6) 政策等の実施に係わる財源措置
(7) 将来にわたる政策等のコスト計算
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、それらの政策等の水準を高める観点から、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算・決算における政策説明資料の作成)
第8条 村長は、予算及び決算を議会に提出し、議会の審議に付すに当たっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の政策説明資料を作成するよう努めるものとする。
(議会の議決事件)
第9条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の議会の議決事件については、代表機関である議会が、村政における重要な計画の決定に参画する観点から、次のとおり定めるものとする。
(1) 美浦村総合計画
(2) 前号に規定するもののほか、美浦村の行政運営上重要かつ村民の福祉向上に密接に関係する計画
第5章 議会機能の充実・強化
(自由討議による合意形成)
第10条 議員は、議会が言論の府であることを認識し、議員相互間の活発な討議を中心に運営することとする。
2 議会は、議案審議、結論に至る過程での議員討議を尽くしての合意形成に努めることとする。
(調査機関の設置)
第11条 議会は、村政の課題に関する調査のために必要があると認めるときは、議決により、調査機関を設置することができる。
2 議会は、前項の調査機関に学識経験者、専門家を構成員として置くことができる。
(議会事務局の体制)
第12条 議会は、議案の審査、政策等の立案に当たって、議会事務局の調査・法務機能を積極的に活用するものとする。
2 議長は、法第138条第5項の規定に基づく任免権を行使する場合において、議会事務局の職員人事に関し、あらかじめ村長と協議するものとする。
3 議長は、前項に規定する議会事務局の職員人事に関し、議会改革、議会機能の充実・強化の観点から、適正な期間の職員の確保に努めることとする。
4 議会事務局の職員は、議員のパートナーとして、議員を補佐するのみにとどまらず、執行部とのパイプ役に努め、ともに村民生活の安心・安全の向上という議会の使命を果たすべきことを自任し、職務に当たるものとする。
(条例の理念の浸透)
第13条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上のため、議員研修の充実強化を以て、条例の理念の浸透を図るものとする。
(危機管理の体制)
第14条 議会は、災害等の不測の事態から村民等の生命・身体及び財産又は生活の平穏を守るとともに、緊急時における総合的かつ機能的な活動が図れるよう、村長等と協力し、議会の危機管理体制を整える。
第6章 議員の身分・待遇
(議員定数)
第15条 議員定数は、別に条例で定める。
2 議員定数の改正に当たっては、村政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮し、議員の活動の評価等に関して村民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用することができる。
3 議員定数の条例改正案は、法第74条第1項の規定による村民の直接請求があった場合を除き、改正の理由を付して必ず議員が提案するものとする。
(議員報酬)
第16条 議員報酬は、別に条例で定める。
2 議員報酬の改正に当たっては、村政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮し、議員の活動の評価等に関して村民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用することができる。
3 議員報酬の条例改正案は、法第74条第1項の規定による村民の直接請求があった場合を除き、改正の理由を付して必ず議員が提案するものとする。
(議員の政治倫理)
第17条 議員は、村民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、村民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。
第7章 最高規範性及び見直し手続き
(最高規範性)
第18条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会は、この条例に違反する議会の条例、規則、規程等(以下「条例等」という。)を制定してはならない。
2 議会は、議会に関する日本国憲法及びその他の法令等の条項を解釈し、運用する場合においても、この条例に照らして判断しなければならない。
(議会及び議員の責務)
第19条 議会及び議員は、この条例の理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例等を遵守して議会を運営し、もって村民を代表する合議制の機関として、村民に対する責任を果たさなければならない。
(見直し手続き)
第20条 議会は、一般選挙を経た任期開始後、できるだけ速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議会地方自治研究会において検討するものとする。また、任期中においては、村民の意見及び社会情勢の変化等を勘案し、必要に応じて検討するものとする。
2 議会は、前項による検討の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講じるものとする。
3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
附則
この条例は、平成27年7月1日から施行する。
附則(令和元年条例第11号)
この条例は、公布の日から施行する。