○美浦村政治倫理条例
平成15年6月11日
条例第13号
(目的)
第1条 この条例は、村政が村民の厳粛な信託によるものであることにかんがみ、村民全体の奉仕者として村政の実施にあたる村長、議員等が高度の倫理性及び廉潔性を求められることを自覚し、その品位と名誉を保持するとともに、その地位による影響力を一部の者のために不正に行使することがないよう、最小限の遵守事項を定めることによって村民の信託に応え、併せて村民の村政に対する認識と自覚を喚起し、もって清浄かつ民主主義的な村政の発展に寄与することを目的とする。
(倫理基準)
第2条 村長、副村長及び教育長並びに村議会議員(以下「村長・議員等」という。)は、常に村民全体の奉仕者としての人格、倫理性、廉潔性の向上に努め、その品位と名誉を損なうおそれがある行為を慎むとともに、その職務に関して不正の疑惑をもたれるおそれがある行為をしてはならない。
2 村長・議員等は、前項に定める義務のほか、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 公私の別を明らかにし、その地位を利用して行ったいかなる行為についても、金品その他の財産上の利益を受けないこと。ただし、法律又は条例により、その職務行為に対する俸給、手当等として給与されるものは、この限りでない。
(2) 村又は村が関係する団体で規則で定めるものが行う工事の発注、業務の委託又は物品、使用機材等の購入に係る契約に関して、特定の業者の推薦又は紹介をしないこと。
(3) 村長その他の執行機関が行う許可、認可、命令その他の行政処分に関して、特定の人、団体、企業等のために有利な取り計らいをしないこと。
(4) 村の職員(臨時職員等を含む。)の採用に関し、特定の者の推薦又は紹介をしないこと。
(5) 村営施設への入居又は入所に関し、特定の者の推薦又は紹介をしないこと。
(6) 政治活動に関して、政治的又は道義的な批判を受けるおそれがある寄付を受けず、その後援団体にもそのような寄付を受けさせないこと。
(7) 特定の新聞、雑誌及び機関誌の購読並びにパーティ券の購入を強要しないこと。
(8) 前各号に掲げるもののほか、議員にあっては、職員の公正な執行を妨げ、その権限又は地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
(村の工事等に関する遵守事項)
第3条 次に掲げる企業は、第2条第2項第2号に規定する契約の当事者となってはならない。
(1) 村長・議員等又はその配偶者、1親等以内の親族若しくはそれ以外の同居の親族が役員をしている企業
(2) 村長・議員等又はその配偶者、1親等以内の親族若しくはそれ以外の同居の親族が実質的に経営に携わっている企業
(3) 村長・議員等に、年間300万円以上の給与、顧問料その他の報酬を支払い、又は支払おうとしている企業
2 前項の規定は、次に定める契約については適用しない。
(1) 工事の契約であって、1回の契約につきその契約金額が130万円未満の額であるもの
(2) 業務の委託契約であって、1回の契約につきその契約金額が50万円未満の額であるもの
(3) 物品又は使用機材等の購入に係る契約であって、1回の契約につきその契約金額が80万円未満の額であるもの
(兼業兼職の報告)
第4条 村長、副村長及び教育長は就任後30日以内に、また、議員にあっては、当選後初めての議会が開催されてから30日以内に、その任期の開始の日における役職について記載した兼業兼職報告書(以下「報告書」という。)を村長及び議員にあっては議長に、副村長及び教育長並びに議長にあっては村長に提出しなければならない。
2 報告書の記載事項は、企業、非営利的団体及びその他の団体において有する全ての地位並びに役職及び業種とする。ただし、政治団体、宗教団体及び社交的団体は除くものとする。
3 村長・議員等は、第1項の規定により提出された報告書の記載事項に変更が生じたときは、すみやかに変更届を村長及び議員にあっては議長に、副村長及び教育長並びに議長にあっては村長に提出しなければならない。
5 美浦村の議会の議員及び長の選挙権を有する者(以下「村民」という。)は、村長に前項の規定により保存されている報告書の閲覧を請求することができる。
(税等の納付状況の報告書)
第4条の2 村長・議員等は、前年分の税等の納付状況について報告書(以下「納税等報告書」という。)を作成し、毎年6月1日から同月末日までに、村長及び議員にあっては議長に、副村長及び教育長並びに議長にあっては村長に提出しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、新しく村長、副村長及び教育長に就任し、最初に提出する納税等報告書は就任後30日以内に、また、議員にあっては、当選後初めての議会が開催されてから30日以内に提出するものとする。
3 第1項の納税等報告書には次に掲げる事項を記載するものとする。
(1) 前年分の所得税及び事業税並びに前年度分の自動車税、村県民税、固定資産税、国民健康保険税、軽自動車税及び介護保険料
(2) 前年度分の普通地方公共団体に関する水道料金、下水道料金、農業集落排水事業使用料、保育料等及び学校給食費
4 村長及び議長は、第1項の規定により提出された納税等報告書を、提出期限の末日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
(政治倫理審査会)
第5条 政治倫理確立のためこの条例によって定められた事項の遵守を調査及び審査する機関として、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第138条の4第3項の規定に基づき、政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、次条に基づく要請があったときは、審査会を開催し、請求若しくは要請に係る村長・議員等又はその関係人に対して事情聴取をし、意見若しくは資料の提出を求め、その他必要な調査及び審査を行う。
3 審査会は7人の委員をもって組織し、委員は地方自治の本旨に理解を有し、かつ、専門的な知識を有する者4名及び村民のうちから3名を、いずれも議会の同意を得て村長が委嘱する。
4 審査会の委員の任期は2年とする。ただし、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。
5 委員は、再任を妨げない。ただし、引き続き6年を越えて在任することはできない。
6 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、出席委員の3分の2以上の同意をもって、これを非公開とすることができる。
7 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
8 審査会の委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
9 前各項に規定するもののほか、審査会及びその委員に関し必要な事項は、規則で定める。
2 法第74条第2項、第74条第5項から第7項まで、第74条の2第1項から第6項まで及び第74条の3の規定は、前項の署名について準用する。
3 村長は、第1項の規定による請求があったときは、その日の翌日から起算して30日以内に、審査会の会長に審査会の開催を要請しなければならない。
6 審査会の会長は、前3項のいずれかによる要請があったときは、審査会の会議を開催しなければならない。
3 審査会の報告があったときは、村長は、その要旨を村民に公示しなければならない。
(職務関連犯罪容疑で起訴された者の説明)
第8条 村長・議員等が、刑法(明治40年法律第45号)第193条、第197条から第197条の4及び第198条までに規定する罪その他その職務に関連した犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)を犯した容疑によって公訴を提起された場合において、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、釈明の機会を得るため、村長に対し、規則の定めるところにより、村民に対する説明会の開催を要求することができる。村長は、この要求があったときは、すみやかに説明会を開催しなければならない。
(職務関連犯罪の有罪確定後の措置)
第9条 村長・議員等が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第28条第4項の規定により失職する場合を除き、村長・議員等は、村民全体の代表者としての品位と名誉を守り、村政に対する村民の信頼を回復するため、必要な措置をとるものとする。
2 審査会は、前項の規定により報告書及び納税等報告書が提出されたときは、これを審査し、当該審査を求められた日の翌日から起算して30日以内にその結果に関する意見書を作成し、村長に提出しなければならない。
3 村長は、前項の意見書の写しを議長に送付しなければならない。
(規則への委任)
第11条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、村長が規則で定める。
附則
1 この条例は、平成15年9月1日から施行する。
2 この条例は、施行日前に行われた行為については適用しない。
3 この条例の施行の日において村長・議員等である者は、第4条第1項に規定する兼業兼職報告書について、同日から起算して30日以内に提出しなければならない。
附則(平成19年条例第1号)
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成19年条例第14号)
1 この条例は、平成19年9月1日から施行する。
2 この条例の施行日において、村長、副村長及び教育長である者は、第4条の2第1項に規定する納税等報告書について、同日から起算して30日以内に提出しなければならない。
附則(平成29年条例第27号)
この条例は、平成29年4月1日から施行する。
附則(令和4年条例第13号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。